HOW IT WORKS / 02 · 2026-09-25
録音を流す音源と、ここで作る合成音の違い
同じ「雨」や「小川」という名前でも、録音された環境をそのまま再生する仕組みとは異なります。Hibi Ambientの音がどんな処理で組み立てられるか、公開用コードからたどります。
音の経路
- 1 · 生成乱数を使った2秒のノイズバッファ
- 2 · 分岐同じバッファを5つのレイヤーでループ
- 3 · 加工各レイヤーにフィルター。一部は発振音も追加
- 4 · 調整レイヤー音量をまとめ、全体音量で調整
- 5 · 出力コンプレッサーを通して解析器とブラウザ出力へ
図はapp.jsの処理順を文章化したものです。環境音の録音ファイルをダウンロードして再生するのではなく、ブラウザ内で音の信号を組み立てます。
5つのレイヤーは別のフィルター設定
| レイヤー | フィルター設定 | 追加される発振音 |
|---|---|---|
| 雨粒 | lowpass・4200 Hz・Q 0.4 | なし |
| 葉擦れ | bandpass・1700 Hz・Q 0.7 | なし |
| 小川 | lowpass・1000 Hz・Q 0.5 | sine・142 Hz |
| 遠雷 | lowpass・190 Hz・Q 0.9 | sine・58 Hz |
| 夜の虫 | bandpass・2500 Hz・Q 4.2 | triangle・2350 Hz |
周波数と種類はコードに設定された値です。録音の場所・天候・距離などの音響情報を再現する値ではなく、実際の聴こえ方は端末や再生環境にも左右されます。
スライダーの%をどう読むか
この画面のレイヤー値はコード内で100で割られ、レイヤーのgainに設定されます。全体音量は値を100で割ったあと0.7を掛けて、音量経路全体に適用します。これは音圧やデシベルを表示する目盛りではありません。
たとえば作例JSONの小川48%、全体35%なら、フィルター後のノイズ信号がコンプレッサーへ入る前に通るgain係数は次のとおりです。
0.48 × (0.35 × 0.7) = 0.1176
この積は信号経路の係数であり、「聞こえる音量が11.76%」という意味ではありません。小川には別の発振音も加わり、さらに後段でコンプレッサーを通るため、最終出力や聴感をこの積だけから算出することはできません。
まずプリセットを選び、気になるレイヤーだけをON/OFF・調整してから全体音量を合わせると、どの操作で音が変わったかを追いやすくなります。高音量を避け、耳で確かめながら調整してください。
選び方の目安と制約
- 録音された場所固有の環境音を聴きたい場合、このツールはその録音を再生する用途ではありません。
- 複数レイヤーの設定をその場で変えたい場合は、プリセットと個別スライダーを試せます。
- 音声ファイルの保存、録音の読み込み、睡眠・集中などへの効果保証には対応していません。